【報告】定例勉強会3「幼児期のコミュニケーションの育て方~アセスメントと支援~」
【定例勉強会③のご報告】
台風10号の接近中ということもあり、お天気や交通機関の状況が気になる中での開催でしたが、熱心な参加者の方々にお集まり頂き、無事に実施することができました。
午前の講義では、早期支援方法の「PRTⓇ」や「DTT」、「ESDM」、「JASPER」についての紹介や違いが取り上げられ、特に黒田先生が翻訳に携わっていらっしゃる「JASPER」については、手法に加え、その中で開発されたアセスメント方法「SPACE」について詳しくご講義頂きました。また、講義の終盤には架空事例を用いて、ワークシートの記入例を基にしながら、目標の選定や支援方法について確認しました。
午後は、実際に「SPACE」を用いたアセスメントの様子の動画を観ながら、午前で紹介されたワークシートを用いて、個人で行動の特徴を整理しました。その後、近くの席の方と二人一組になり、意見交換しながら目標の選定や具体的な支援を考えました。さらにそこから、別のワークシートを用いて本人のスキルや興味関心にあった基盤の遊びを取り上げ、社会性を引き出すためにその遊びをどのように発展させるかを話し合い、いくつかのグループに発表して頂きました。
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「訪問セラピーの中でDTTを中心にお子さんと遊ぶ時間もあり、なるべくPRTのような形でセラピーを進められないか考えていましたが、なかなか遊びが広げにくく苦戦しておりました。今日のSPACEのアセスメントは大変勉強になりました」
「言葉を獲得する前の段階で、遊びが大切だということを知ることができて、大変良かったです」
「曖昧になりやすい社会性の育ちを捉える視点を学ぶことができました」
「保育現場で活かせることがたくさんありました。自分の中で整理して実践してみたいと思います」
「JASPERの勉強会があまりないため、貴重なお話しを伺うことができ、大変勉強になりました。ビデオを見ながら先生がわかりやすく解説して下さったので、理解が深まりました。」
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他にも多数、「明日から現場に活かしたい」、「あまりないテーマで学びを得ることができた」、などのご感想や気づきを頂いております。
黒田先生、ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
次回の定例勉強会④は12月7日です。またのご参加お待ちしております。
【報告】定例勉強会2「ASD者の就労の課題と支援―BWAP2アセスメントに基づいた就労支援―」
【報告】TEACCH研東京支部2024年度定例勉強会② 「ASD者の就労の課題と支援―BWAP2アセスメントに基づいた就労支援―」
【報告】2024年度定例勉強会①「ASD(自閉症スペクトラム)の特性理解」宇野洋太先生
6月22日(日)にオンラインにて、今年度最初の定例勉強会とワークショップを開催しました。
長く自閉症スペクトラムの方への支援・研究を続けていらっしゃり、現在TEACCH研究会東京支部の会長でもある、よこはま発達クリニック副院長 宇野洋太先生を2年ぶりに講師にお招きしました。
オンラインで、後日配信つきの形式ということもあり、全国から170名近くのお申し込みをいただきました。(現在後日配信を行っています(~7月7日配信終了)
午前(9:30~12:00)の講義は、自閉症スペクトラムの脳と定型発達の脳に質的な違いがあることについて、「リンゴとバナナの共通点は?」という問いに対する答え方の違いを例にとってのお話しからスタートしました。認知特性自体は多数派か少数派かという違いであってそれ自体が障害ではないこと。ASC(自閉症スペクトラムコンディション)という概念も提唱されているということ。さらに、ニューロダイバーシティという近年取り上げられてきた概念についても取り上げられ、そこから自閉症スペクトラムの人の認知特性について一つ一つご説明いただきました。本人が自立して活動・行動できるように、ASDフレンドリーな環境を作ることが必要であること、お会いするASDの方がその人らしくハッピーに暮らしていけるように、背後から黒子のように支えるのが支援者・専門家としての役割で、そのために学び続けたいというお話で講義が締めくくられました。先生の自閉症スペクトラムの人への愛にあふれたお言葉に、自分の支援している方々の顔を思い浮かべ、その方たちの為に学びの足を止めないようにしなくてはと、ついつい怠けてしまう自分に喝を入れていただいた気持ちになりました。
午後(13:30~15:30)は、「特性1000本ノック」と、氷山モデルを使ったワークの二本立てでした。ZOOMのブレイクアウトルームを使ってのグループワークで、画面越しの限られた時間の中でしたが、様々な年齢やお立場やご経験を持つ参加者から積極的な意見が交わされました。
「特性1000本ノック」では、自閉症スペクトラムの方の様々な行動の裏側にはどんな特性が関係しているのかをグループで検討しました。多くの方にとってすぐに理解しにくい「社会的想像力」が、どのような形で行動に現れるのか考えることに重点が置かれたワークでした。行動だけ見ると様々でも、背景には同一の特性があり、特性に基づかない表面的な対応では当事者の支援にはならないという先生のお話しが印象的でした。「同じ質問ばかりする」「新しい作業を嫌がる」など、支援現場でよく見られる行動がピックアップされていたので、現在支援している方のお顔が浮かんだ参加者も多かったのではないでしょうか。
氷山モデルを使ったワークでは、架空事例をもとに、その行動の背景は何か、そこからどんな改善方法・工夫が考えられるかをメンバーで話し合いました。「問題行動」の背景には何があるのか、特性・環境面から皆でたくさんの仮説を立て、それに基づいて改善策・対応策を考えるという、明日から現場で生かせるワークでした。
今回も参加者の皆さまから、多くの感想を頂きましたので、アンケートの中から一部ご紹介致します。たくさんのご意見をありがとうございました。
○「講義」アンケートより
・自閉症のある方を理解する根本を見直すよい機会となりました。
・久しぶりに宇野先生のお話を伺うことができ、改めて自閉症スペクトラムの特性理解をしなくては、と思いました。支援のためには理解が必要だと普段から思ってはいても、お話を伺うと「そうだった!」と気づかされることが多く、くり返し学ぶことの大切さを感じました。
・ASDの特性を理解することはどういうことなのか学ぶことができました。行動を制限してしまうことがあったことを思い出し、本人にとって負荷のかかる支援をしてしまっていたことを反省しました。
今回の講義を通して、ASDの方一人ひとりの特性をアセスメントし、それによって環境を整え、本人たちがより適切な行動をおこせるように寄り添っていく姿勢を改めて意識することができました。
○「ワーク」アンケートより
・初参加でとても緊張していましたが、様々な立場の方と交流しお話しすることができ、よかったです。また、講義もとても理解しやすかったです。
・1人の意見だと視野が狭くなるので,全く違う事業所の意見を聞くことで改めて情報を収集して的確に判断することや、チームで支援をすることが大切だと感じました。
宇野先生、ご参加の皆さま、ありがとうございました。
【報告】定期総会&特別講演会『自閉スペクトラム症の行動面の課題についての理解と対応』
【報告】2024年度定期総会&特別講演会『自閉スペクトラム症の行動面の課題についての理解と対応』
【報告】2023年度定例勉強会4「コミュニケーションー今、この時の「わかる」「伝わる」を大切にー」
12月17日(日)、よこはま発達相談室/クリニックの飯塚直美先生をお迎えし<今、この時の「わかる」「伝わる」を大切に>と題した2023年度最後の定例勉強会4コミュニケーションを開催しました。午前中は、有意義な=意味のあるコミュニケーションは、ご本人をはじめ、ご家族の穏やかな暮らしにつながること、またそういったコミュニケーションのために、構造化などその人の認知特性に合った基本的な支援に加え、ご本人への指導を含む、より良いコミュニケーション支援を実践することが大切というお話を伺いました。
午後は、先生のセッションの様子を動画で見ながら個人ワークを行いました。おやつや切り替え、要求など様々な場面における先生やお子さんたちの表情や視線の方向などにも注目し、そこで見られた行動やことばを記録、それがどのようなコミュニケーションや支援方法につながっているかをご説明いただきました。会場のみでの開催ということで、午前も午後もたくさんの動画や写真を見ながらのお話で、「お子さんの表情や支援に対する反応がわかりやすかった」「自分の現場でのイメージを持ちやすかった」と大好評でした。
個人的には、先生がセッションの中でされていた「次に何をすればいいのかをわかりやすく伝えること」「ご本人からの行動が出やすいような環境や工夫」「反応を待つ」ということを、私は実際に現場でどれだけ意識して実践いるだろうとはっとしました。なぜコミュニケーションを学ぶことが大切か?と聞かれれば、「コミュニケーションは相手と自分、双方のキャッチボールだから」という模範解答がすぐ思い浮かぶものの、先生のお話を聞いたりセッションのビデオを見ていると、実際には「自分の思いや指示を聞いてもらう、相手に理解してもらうためにはどうすればいいか?」の一方通行になっていることが多いのでは?と気づきました。
終了後のアンケートにも「指導を振り返ることは大切」「どの場面、どの行動や言動にも意味があるとわかった」「待ったら自発の姿が見られるかもしれない場面でも、日常的に早めに声かけをしてしまっていると気づいた」などのご意見があり、この勉強会がコミュニケーション支援の方法を学ぶだけでなく、参加者ご自身の言動や行動を振り返る機会になった方も多かったようです。
午前の講義の初めに「【今】が少しでも安心できる/快適な/自信がもてる/楽しい/満足できる時間になるよう支援し、穏やかで幸せな日々の暮らしや良き人生(長期的未来)へとつなげていきたい」というお話がありました。私は普段お子さんと接することが多いこともあり、つい先へ先へを考えた支援になってしまいがちです。【今、自分でわかる】の連続が幸せな将来につながっていくことを意識して、お子さんの【今】を一緒に考えていきたいと改めて思った勉強会になりました。
【担当T】
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飯塚先生、長時間にわたりありがとうございました!
【報告】2023年度定例勉強会2「構造化」
2023年度定例勉強会2「構造化」
講師:安倍陽子先生
2023年11月3日(金)全水道会館にて、「構造化ASDの人たちの特性理解から支援へ」~自己効力感・自尊感情を育む~を開催しました。
講師は、現在横浜市東部地域療育センターに勤務され、日々、発達障害などASDのお子さんたちの療育やご家族の相談をされている安倍陽子先生でした。
午前中は講義、午後はワークショップと、1日を通して構造化について、具体的でより実践的に、すぐに現場で役立つ内容を学ぶことができました。
午前中の講義では、「構造化」の基本的なこと、ASDの人たちの学び方の違いについて、得意なことや苦手なこと、なぜ構造化するのか、具体的な例を挙げながらわかりやすく教えていただきました。支援にむけて何を教えるのか、指導領域や構造化のアイディア(物理的整理統合、スケジュール、ワークシステム、マテリアルストラクチャー)を丁寧にご説明いただきました。講義の後半には受講者の皆さんで教室のレイアウトを構造化の意味を考えながら検討する時間がありました。
午前の講義の中で、構造化をすることは、自分で判断して行動できるようにするためであり、本人の強みを生かしながら学習スタイルや理解の度合いに合わせて行うことが大切であるということを改めて実感しました。スケジュールは、予定や変更を伝えるシステムであり、ASDの人に見通し、安心して活動できるようになるだけでなく、変化を伝えることで変化への耐性をつけ、柔軟性を養うことができる重要なシステムであることも教わりました。
先生のお話の中で「ASDの人が混乱することは、できないのではなく、わからないことが多い、だから環境を整えて不確定、混乱させる要素を意味のある形にしていくこと、わかることで安心し、やることが明確になることで自ら行動でき、自信が持てるようになる、だから私たちは創造力を必要とする、工夫をしていかなきゃならない」とおっしゃった言葉に力をもらいました。
午後のワークショップでは、架空事例から構造化ワークシートを活用し、物理的整理統合、スケジュール、ワークシステム、マテリアルストラクチャーの根拠(学習スタイルと個別のアセスメント)、現状の確認(観察と聞き取り)、構造化、発展(般化、柔軟性)のアイディアを先生からヒントをいただきながらまずは個人でシートを記入しました。その後3つのグループに分かれて構造化のワークシートと教室のレイアウトに構造化のアイディアを検討して記入しました。最後にグループごとに発表し先生からの助言を受けました。
午後のワークショップは、3つのグループとも短い時間の中で構造化の基本的なことを検討しながら教室レイアウトを完成させました。各グループが架空事例から読み取った本人の特性や強味などから構造化に取り組み、スケジュールについては、形態(文字、写真、絵、シンボル等)、長さ、扱い方、開始の手がかり、設置場所など説明しました。ワークシステムについては、形態(色、文字、記号、絵)、組織化(左から右、上から下)、進捗状況の確認、終わり方、課題の場所、片付け場所を示しました。マテリアルストラクチャーについては、時間が足りない部分もありましたが、それぞれ工夫して課題を考え発表しました。その際、視覚的指示の形態や順序立て、注目注意を強める方法、情報と教材の整理統合の方法(かごに入れたままの課題なのか等)課題を考える上でのポイントを先生よりご助言いただきました。また、生活にいかに般化できるかを考えながら構造化を行い、本人の状況や理解の状況に合わせて再構造化していくことの大切さも学びました。ファシリテーターも含め全員が様々な視点に気付くことができ、活気あふれるよいワークになったと思います。
安倍先生には、多くのマテリアルストラクチャーをご持参いただき、ご厚意に感謝いたします。アンケートからも「感激して涙が出た」「すぐに参考にしたい」など多くの感想が寄せられました。今回の勉強会は、安倍先生のお人柄とASDの方への支援をリアルに現場で生かせるようにしたいという熱意に心動かされる会となりました。
【報告】2023年度定例勉強会3「アセスメント」講師:佐々木康栄先生
【報告】2023年度定例勉強会3「ASDのアセスメント」
講師:佐々木康栄先生
2023年9月10日(日)、「ASDのアセスメント」~多様性のある人たちのより良い生活に向けて~を開催しました。
講師は、現在よこはま発達クリニックに勤務され、公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士の佐々木康栄先生でした。
午前中は講義、午後はワークショップという形で、1日かけてアセスメントについて学びました。
午前中は、ASDの方のアセスメントをするということはどのようなことか、アセスメントの種類や方法、アセスメントする際の観察のポイントなど、実際の事例を説明していただきながら教えていただき、とても分かりやすい内容でした。
冒頭で、先生は、「アセスメントを行うためには、よりよく知ること、目の前の人をよく見ること、見るためにはASDについての知識がないといけない。アセスメントするには知識が必要だが、知識だけでは、(講義を聞いただけでは)ダメで、知識で得たことを使ってみることが必要。」とおっしゃっていました。また、「根拠を持った支援を行うためにも、情報を集め解釈し、知識を支援に活かすようにしなければならない。」ともおっしゃっていて、支援を行う人は、学ぶことに終わりはなく、ずっとずっと学び続けていくのだということを改めて感じました。
午後は、実際の検査(PEP-3とTTAP)を行っている映像を見ながら、クライエントさんがどんな風に検査に取り組んでいるか、上手くいっている時と上手くいっていないときはどのような違いがあるかなど、個人ワークで考えつつ、後で詳しく説明していただきました。
ついつい、目の前の結果だけでアセスメントしたつもりになりますが、クライエントさんがその結果に行きついたのには、どのように考え、どのような方略を用いたのか等を考えることがアセスメントするのには重要であることが実感できました。
あっという間に時間が経過し、終了後は「もっと頑張ろう」と思えた研修会でした。
佐々木先生、素敵な研修会をありがとうございました。
当日研修会に参加できなかった方には、見逃し配信を行っております。もちろん、当日参加された方も、復習用として何度でもご覧になれます。視聴期限は10月1日までです。是非お見逃しなく!
【報告】6/18定例勉強会1「ASDの特性理解~ASDの世界へようこそ~」
【報告】6/18定例勉強会1
「ASDの特性理解~ASDの世界へようこそ~」
6月18日(日)に、きゅりあん6F大会議室(大井町駅)にて、諏訪利明先生を講師にお招きして、今年度最初の定例勉強会とワークショップを開催しました。
前回、諏訪先生に講師をお願いした2020年7月はCOVID-19が大流行しており、TEACCH研究会東京支部初のオンライン開催となりましたので、今回先生に会場にお越しいただいて、参加者の皆さんと対面で実施できたことをとても嬉しく思っております。
午前(9:30~12:00)の勉強会では、「自閉症スペクトラム症をどう説明しますか?」という問いかけから、セサミストリートのジュリアの動画を視聴しました。他の子どもにもわかるように、違いを大切にしながら自閉スペクトラム症の子どもの特徴を説明することの大切さに気付かされました。
それから、自閉スペクトラム症を持つ人たちの、定型発達の人とは異なった行動の原因となる、学習スタイルの違いについて一つずつ説明がありました。中でも、自閉スペクトラム症の方の、一見反抗的な態度や、こだわりや物を壊すといった行動が、暗黙的な学習の困難さによる、状況が理解できないための不安から来ているというお話が印象的でした。支援の中で、「何度もやっているし、このくらいわかるでしょ」と、きちんと目に見える形で説明していないことがないだろうか、と自分をふりかえって背筋の伸びる思いでした。
アンケートでは、「初めての研修だったのですが、とても理解しやすくわかりやすかったです。」「諏訪先生の講義を久しぶりに聞いてやっぱり学び続けることって大切だなぁと感じました。毎回気持ちが新たになり、明日からの支援に前向きな気持ちにもなりました。」などたくさんのご感想をいただき、勉強し始めの方も、自閉スペクトラム症の方との付き合いの長い方も、どちらも多くの学びを得ていただける時間となったことを嬉しく思っております。
午後(13:30~15:30)のワークショップでは、自閉スペクトラム症の幼児さんの動画を見て、そこで見られる行動がどの学習スタイルに当てはまるかをグループごとに話し合いました。
動画のお子さんのかわいらしさに顔をほころばせつつ、どのグループも話し合いの時間をいっぱいまで使って、真剣に行動観察と意見の共有がされていました。
アンケートでも、「自分の思い込みで行動を解釈してしまっていることもあるなと普段の支援を振り返って思うことがありました。学習スタイルに基づいて考え、支援していけるように今日の学び、気付きを活かしていきたいと思います。」「行動を学習スタイルで整理すると、どうしてその行動が起こるのかが見えてくることを実感させられるワークショップでした。常に頭に入れて、その子の理解を深めたいと思いました。」など、参加者の方の、支援している方のことを熱く思う感想がたくさん寄せられました。
諏訪先生、参加者の皆様、長い時間の研修となりましたが、本当にありがとうございました。
【勉強会担当】
【報告】3/21特別講演会&総会「自閉症・発達障害の人の権利擁護について」
3月21日(火・祝)に、全水道会館にて特別講演会と定期総会を開催しました。コロナ禍でしばらくオンラインでの開催が続いていましたが、久しぶりの対面で参加された方々のお顔を見ながら実施することができました。
講演会の講師は、毎日新聞記者を経て現在、植草学園大学の副学長でいらっしゃる野澤和弘先生です。「自閉症・発達障害の人の権利擁護について」というテーマでお話していただきました。知的障害のある自閉症の息子さんをお持ちの親としての立場と、新聞記者として様々な取材を続けてらした経験を踏まえたお話を伺うことができました。
ご講演では、まず障害者の支援と虐待のお話をして頂きました。虐待をどう考え、見て見ぬふりをするのではなく、その小さな芽に気づくことが重要であるという事。一人の人間として認めるという事は、その人の「できる事」をを一つ一つ丁寧に認めていくことと、地域(社会)で生活し、そこでのポジティブな視線を受ける経験をしていくことであるというお話が印象的でした。
支援する側としては「できないこと」を「できるようにする」ことがどうしても優先してしまいがちで、それが支援することと思ってしまいますができる事を認めるという事はその人のあるがままを受け止めるという事なんだなと「目から鱗」の思いでした。
地域で共生していくには「学校教育」ではなく「福祉」ではないか?との先生の発言に教員を経験した方からの質問や感想も出されて講演は終了しました。
対面での講演会、人と人との触れ合いを久しぶりに直に感じながら、先生の貴重なお話を聞く機会を持つことができました。 最後に「やっぱり、対面っていいなぁ」と、つい口に出てしまいました。【講演会担当】
なお、同日、TEACCHプログラム研究会東京支部2023年度定期総会が行われ、全ての議事が承認されましたことをご報告いたします。
改めまして、本年度もよろしくお願い申し上げます。【事務局】
【報告】2022年度定例勉強会3 『ASDの方の評価のポイント』
【報告】2022年度定例勉強会3
『ASDの方の評価のポイントーようこそ新版K式の世界へー』
9月11日(日)南山城学園SVの澤月子先生に新版K式発達検査のご講演を頂きました。
午前中の講義は、旧版である「2001年式」の新版K式発達検査と最新版である「2020年版」新版K式発達検査の比較から、更新まで19年の年月を経て、実際に検査用紙の検査通過年齢の変化をご説明頂きながらここ約20年の「知能」や「発達」の捉え方が社会において変化してきていることをご説明頂きました。
先生のご説明では、インターネットやスマートホンの発達に伴い、昔に比べて「見る力」の平均発達年齢は早まっているのに対して、言葉の表現力や折り紙を折る等の手先の巧緻性の発達は生活習慣や経験の変化により遅くなっているそうです。昔に比べると「知識」があまり重視されなくなってきているのは、知識や情報についてはインターネットを検索すればいくらでも調べられるからで、現代においては「見て・推理して・応用する」力の方が「知能」の評価においては重視されてきているというご説明はとても説得力を感じました。
また、新しく追加された「相手の立場」から想像する「こころの理論」や模倣の力を見る「人形遊び」の項目,「覚える力」を見る「短文復唱」のお話を通じて、最近の動向として発達障害の概念の普及が社会で進んでいることも影響していることを改めて振り返ることができました。
各発達水準毎に使い分けられる検査用紙のご説明を通じて、幼児期から学童期,成人期までの発達の概要をご説明頂くことができ改めて「定型の発達」を知ることが、ASDの方の発達の特徴を知ることについて学ぶことができました。
個人的に印象深かったことは、冒頭に澤先生がお話された「支援者自身のアセスメント」という論点について、「発達年齢を正確に知ることは勿論大切だけれども、検査不通過であっても『当事者支援の手がかりを知る為に』どのような『手立ての工夫でその人ができた』か知る事,『できない時にどのような反応を見せるかを知っておくこと』が当事者を理解する上で一番大事」というご説明は、去年同じ「評価」でご講演を頂いた石川支部代表の笠合竜明先生のお話と重なる視点であり、「アセスメントの目的を見失わない」ことの大切さを振り返ることができました。
午後は貴重な検査場面の動画2例を通じて、新版K式発達検査を用いながら、それぞれの被験者の方の発達の特性を丁寧にご説明頂きました。
澤先生がそれぞれの被験者の方のつまづきを推測しながら、検査項目の順序を変えてみることで「注意移行の難しさ」「不注意の問題」「感覚刺激に逸れる反応の意味」など、インフォーマルな視点からの工夫で被験者の方の発達特性が浮彫りになっていく様子が大変分かり易かったです。
また、同時処理の苦手さはあっても継時処理を丁寧に行えることを「強み」として被験者にフィードバックするエピソードを通じて、午前中に思いだした「検査」「評価」することの目的や意味,「当事者に寄り添う」ことの意味について深い示唆を頂くことができました。
澤先生、一日を通じてご熱演ありがとうございました。
TEACCHプログラム研究会 東京支部 社福)正夢の会 パサージュいなぎ 堀内太郎
【報告】2022年度定例勉強会2『TEACCHファンダメンタルトレーニングのエッセンス〜スケジュール、ワークシステム、物理的構造化』
7月18日(月)に定例勉強会②「TEACCHファンダメンタルトレーニングのエッセンス~スケジュール、ワークシステム、物理的構造化」をZoomで開催しました。TEACCHプログラム研究会東京支部前代表であり、帝京大学文学部 心理学科教授の黒田美保先生を講師にお迎えしました。ASD支援にかかせないスケジュールやワークシステム、物理的構造化の意味や背景を実際の教材や支援の様子を豊富に見せていただきながらお話しいただき、あっという間の2時間半でした。
ASDの方たちの文化や考え方にリスペクトをもち、行動観察やアセスメントに基づきながら、どうやって興味関心、強みをいかしていくのか。先生からの問いかけに参加されたみなさんがチャットで答えながらすすめていく形式でオンライン研修ながらも相互にやりとりしながら参加でき、新しい形の研修でした。
午後は二つの架空事例をもとに、ジャムボードを使ってスケジュールとワークシステムを話し合いました。話し合いをもとに画面の上でスケジュールやワークシステムを作成し、イメージを共有することができました。ジャムボードを使ったワークは東京支部では初めてで、スタッフもまだ不慣れなこともあり、操作に時間がかかりご不便をおかけしてしまった場面もありましたが、これからのワークの可能性が広がりそうです。
参加された方のアンケートよりご感想の一部をご紹介させていただきます。たくさんのご意見ご感想をありがとうございました。
〇「講義」アンケートより
・本などを読み、自分なりに構造化に取り組んできましたが、本日の先生のお話をお聞きしてずいぶん整理されました。
・教室の写真が多く具体的でした。新しい部分の説明があり、すっきりしました。
・こどもの視点に立って、スケジュールや自立課題の提示の仕方にも工夫がいると再認識することができました。
〇「ワーク」アンケートより
・本や講義だけではイメージできないことが、ワークだとイメージできた。他の人の意見を聞くことでアセスメントの参考にもなった。
・実例が成人と幼児に別れていて実践に近くありがたかった。
・オンラインでもここまで出来るのだなと実感できました。
今後は9月11日(日)に定例勉強会3「評価」~新版K式を活かしたASDの方の支援(仮)
(TEACCHプログラム研究会会員の方を対象)、11月13日(日)に定例勉強会4「コミュニケーション」を予定しています。詳細が決まりましたらブログやFacebookなどでお知らせしますので是非ご参加ください。
黒田先生、ご参加の皆様、ありがとうございました。

















