【報告】
8月2日(土)に、きゅりあん(品川区立総合区民会館)6階 大会議室にて、加藤健生先生を講師に、定例勉強会を開催しました。
今年度の東京支部の定例勉強会は、昨年度TEACCHプログラム研究会本部が企画した基礎講座の動画と支部で企画したワークショップを組み合わせ、設定したテーマについて学びを深めるという構成になっています。
第3回目の今回は「アセスメント情報をもとに構造化を考えよう」というテーマでした。午前中は会場での動画視聴、午後は個人ワークと近くの人との意見交換という二部構成で開催しました。
午前は黒田美保先生による講義動画「構造化1:スケジュール・物理的整理統合 般化と柔軟性」と、諏訪利明先生による講義動画「構造化2:ワークシステム・マテリアルストラクチャー」の2本の動画を視聴しました。その後の質問・感想の共有の時間は、受講者それぞれの職場や立場ならではの、かつ全員があるあると頷くような質問と、現場をよく知る加藤先生からの温かいコメントで盛り上がりました。
午後は加藤先生による動画の振り返り講義を短時間行いました。その後、事例のアセスメント情報をもとに、午前中に学んだ構造化を使ってその方の課題をいくつか計画するという個別ワークを実施しました。
特に、コミュニケーションサンプルに基づいてその方の目標を設定し、課題場面に人とコミュニケーションを取る場面をどう組み込むか考えるという考え甲斐のあるワークでは、受講者の皆さんが楽しそうに頭をひねっている様子が印象的でした。近くの人との意見交換の時間も、スタートの声がかかるなり活発に話し合いが行われ、先生が終わりと声をかけたあともしばらく話が尽きないほどでした。
アンケートに沢山のご回答を頂きました。ご協力頂いた皆様ありがとうございました。以下いくつかをご紹介します。
午前【動画視聴】
・前もって資料を確認することができ、動画を見ながら記入もでき助かりました。Teacch初心者ですので聞きなれない言葉などありましたが、今後理解していき役立てることができるようになりたいと思います。
・今回の講義を受けて、構造化は自閉症の学習スタイルと本人のアセスメントの情報があって初めて取り組める事だと感じた。
午後【ワーク】
・ご本人の好きなものを、大切にして、アプローチをしていくことの大切さを感じた。また、ご本人から発信を促すような働きかけについて、あまり意識できていなかったことに気づいた。重度の方とかかわることが多いため、その視点も今後意識していきたい。
・楽しい上に深く学べました。月曜日から今日の気持ちを持って試みたいです。
・加藤先生のお話がとてもわかりやすく、支援者の立場に寄り添って進めて頂き、とても嬉しかったですし、ワークもすごく面白かったです!本当に有り難うございました。
TEACCHの考え方に触れて間もない方から既に現場に取り入れて実践されている方まで、幅広くご参加頂きました。また、福祉領域の方を主としつつも、教育現場や当事者・ご家族の方まで、様々なお立場の方が一堂に会して意見を交える貴重な場となっていることもアンケートからうかがえました。