【報告】2026度定例勉強会2
令和8年8月2日、田園調布学園大学教授であり、TEACCHプログラム研究会常任理事でもあります、黒田先生を講師にお迎えし、
「評価から考える構造化~多様性のあるASD当事者のバリアフリーについて~」
をテーマとした定例勉強会を開催しました。
定例勉強会では、ASD(自閉スペクトラム症)のある方への支援に欠かせない「構造化」について、アセスメントとの関連を中心に学びました。講義とグループワークを通して、一人ひとりの特性に応じた支援を考える視点を深める機会となりました。
午前の講義では、ASDの認知特性を踏まえた構造化支援の基本的な考え方について学びました。
構造化は単に環境を整えることではなく、「見通しを持つことが難しい」「言葉よりも視覚的な情報の方が理解しやすい」といった特性を補い、不安や混乱を軽減しながら、自立を支えるための支援であることを理解しました。
また、構造化の4つの要素である「物理的構造化」「スケジュール」「ワークシステム」「視覚的支援」について、それぞれの役割や具体的な実践方法を学びました。
特に、構造化には決まった正解があるわけではなく、本人の認知特性や学習スタイル、興味・関心、発達段階などを丁寧にアセスメントした上で、一人ひとりに合わせて支援を組み立てることの重要性が強調されました。
午後のグループワークでは、架空事例のアセスメント結果をもとに、具体的な構造化支援を検討しました。
参加者はグループごとに、スケジュールの提示方法や設置場所、活動終了後の処理方法、ワークシステムの構成、自立課題の内容などについて話し合い、それぞれの支援案を作成しました。
検討では、架空事例の対象者は「数字が好き」「電車への興味が強い」といった強みを活かしながら、写真やイラストを用いた視覚支援、ポケットマッチングによる活動の整理、電車を活用した予定変更の伝え方など、多くの実践的なアイデアが共有されました。
また、「変更」「追加」「中止」といった予定の変化にも対応できるよう支援を工夫することで、構造化の目的は単にルールを守ることではなく、自立と柔軟性の両立を支えることにあると学びました。
今回の研修を通して、構造化支援は決められた方法を当てはめるものではなく、アセスメントを基に本人の特性や強み、理解しやすい方法を把握し、一人ひとりに合わせて支援を組み立てることが重要であると学びました。
また、安心して活動できる環境を整えることが、自立した行動や主体的な活動につながることを改めて認識しました。
今回得た学びを今後の支援に活かし、利用者一人ひとりに寄り添った支援の実践につなげていきたいと思います。
最後に、ご多忙の中、豊富な実践経験と最新の知見を交えながらご講義いただいた黒田先生に心より感謝申し上げます。
また、積極的に討議や演習に参加してくださった皆さまにも御礼申し上げます。
今回の学びを今後の支援に活かし、より良い支援の実践につなげてまいります。



