2021/12/27

2021年12月4日 定例勉強会④『発達特性から知る言語コミュニケーション』ご報告

124日(土)に定例勉強会④「発達特性から知る言語コミュニケーション」をZoomで開催しました。講師は、熊本県を拠点に子供から成人まで幅広く支援を展開されている「一般社団法人ゆこり」代表理事の下田祐輝先生(言語聴覚士)をお招きしました。

午前の講義では、「発達特性から知る言語コミュニケーション」というテーマのもと、発達特性と言語コミュニケーションがどのような関連を持って成り立っているのかを学ぶために、まず、「発達を知る意味」から掘り下げ、講義が始まりました。そして、機能的特性(感覚・記憶・注意・知覚、認知・言語・運動)の中から、一つずつ、機能をピックアップし、言語・コミュニケーションの発達との関連について、参加者とのやり取りを交えながら具体的に説明をしてくれました。

午後のワークでは、下田先生の職場のスタッフの方にも事例提供者としてご協力頂き、「インシデントプロセス法」の手法を活用したグループワークを行いました。インシデントプロセス法は問題解決の方策の一つで、事例提供者は、出来事のみを口頭で提示するだけで良いので事前準備が必要なく、自分の考えや取り組みを提示しないので参加者から批判をされる心配がない。また、参加者としても受け身的な参加になりにくく、経験年数や専門性などの立場に左右されないため、各グループで活発な意見交換がされました。

Zoomを通して東京と熊本が繋がり、一つの事例に対して、さまざまな環境で働いている方々が、真剣に検討していくことは、コロナ禍ならではのメリットだと感じました。

言語聴覚士である下田先生ならではの視点からお話して頂くことで、「コミュニケーション支援」を考える視野がさらに広がった一日だったと思います。下田先生、協力者の方々、本当にありがとうございました。

今回も参加者の皆さまから、多くの気づきと学びの感想を頂きましたので、アンケートの中から一部ご紹介致します。講演中、進行に不手際があり、参加者の方にご迷惑をおかけしたことをこの場を借りてお詫び致します。

次回は3月に講演会を予定しております。来年度も様々な研修会を企画していきますので、是非、ご参加頂けると幸いです。ありがとうございました。

○「講義」アンケートより

・具体的なエピソードを交えて解説していただいて、とても興味深く受講できました。特に視覚的な支援の大切さについて、改めて理解を深めることができました。ありがとうございました。

・普段気付くことのない視点から話をしていただいて、良い勉強になった。

・絵カードを使う意味、視覚的支援をする意味がより具体的にわかり、良かったです。自分と違う発達特性や感覚を知ることで、他者理解につながると感じました。素晴らしい講義をありがとうございました。

○ワーク」アンケートより

・コミュニケーションがテーマということで、それに関しての検討を予想していましたが、そこにとどまらず話し合いの方法についても学んで経験することが出来、何重にも得ることの多い機会でした。「話し合い」というと堅く考えて意見が出にくいことも多いですが、この方法なら前向きに良い意見がたくさん出ることがわかり、取り入れていきたいと思いました。素晴らしいファシリテーションで、不慣れでも安心して参加することができました。ありがとうございました。

 下田先生、ご参加の皆さま、ありがとうございました。

(文:赤川)